民間フットケア施術における注意点

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医療機関と民間サロンとの違い
「医療連携」「医療提携」をうたう店舗についての注意点
最近では、「医療連携」や「医療提携」といった表現を用いる店舗が増えていますが、この言葉の使用には注意が必要です。
というのも、「提携」という表現は、あたかも医療機関と正式な業務提携関係にあるような印象を与えるため、消費者に誤解を与える可能性があり、場合によっては不当表示(景品表示法)に該当する恐れもあります。
特に医療行為と誤認されかねない施術を行っている場合には、法的リスクや行政指導の対象になることもあるため、十分な配慮が求められます。
民間施術における「治療」や「治る」といった表現のリスク
一部の巻き爪ケアを提供する本部や店舗では、「治療」「治る」といった医療的な表現を用いて集客を行っている例が見受けられます。
しかし、民間の施術者が行うケアは、医師法に定められた「医業」ではなく、あくまで「美容」や「補助的なケア」に位置づけられます。
そのため、「治る」「治療」といった表現は医療行為と誤認される可能性があり、景品表示法や医師法に抵触する恐れがあることから、非常に注意が必要です。
利用者との信頼関係を守るためにも、正確で誤解を与えない表現を心がけることが重要です。
巻き爪ケアにおける注意点
「てこの原理」を利用した器具を使用する際、器具の形状に無理に爪を合わせて急激に矯正を行うと、爪全体に強い負荷がかかることがあります。その結果、爪が剥がれる(爪甲剥離)などのリスクが生じる可能性があります。
無理な矯正は避け、爪や皮膚の状態に合わせて段階的かつ慎重に調整を行うことが大切です。
ワイヤー補正について
ワイヤー補正は、巻き爪の状態や爪の厚み・湾曲度などを丁寧に確認しながら、段階的に行う安全性の高い矯正方法です。
無理な力を加えることなく、自然な形でゆるやかに補正を進めていくため、基本的に痛みを伴うことはありませんが技術を必要とします。施術中も違和感や不快感がないよう配慮を重ねながら進めていきますので、初めての方でも安心して受けていただけます。
⚠️専門知識をと技術を取り入れているサロンを見つけ出すことも重要です。家から近いだけでは安心できません。
ただし、以下の点については事前にご理解が必要です。
- 装着後の生活動作(靴の着脱・スポーツ・入浴等)によっては、まれにワイヤーが外れる可能性があります。
- 万が一外れた場合や違和感が生じた場合は、速やかにご連絡・再来店いただくことで対応可能です。
巻き爪ケアにおける店舗選びの注意点
巻き爪のケアには「技術力」か「矯正器具」に頼るかの選択が伴いますが、最終的にはご自身で慎重に判断することが大切です。
現在、多くの巻き爪ケアをうたう店舗では類似した矯正器具が使用されており、「特許取得」をアピールポイントにしているケースも見られます。しかしながら、そうした店舗の中には十分な専門知識や経験を持たないまま施術を行っている場合も少なくありません。
適切なケアを受けるためにも、器具の性能だけでなく、施術者の技術や知識の有無をしっかり確認することが重要です。
衛生管理について
衛生管理はフットケア業における基本中の基本
巻き爪ケアやフットケア施術は、皮膚・爪などのデリケートな部位に直接触れるサービスであり、衛生管理はお客様の安全と信頼を守る上で最も重要な要素の一つです。
以下の点に十分ご注意ください:
◎施術者・店舗側への注意
- 器具の使い回しは厳禁です。すべての器具は使用ごとに消毒、または使い捨て対応を徹底してください。
- 手指消毒・マスク着用・施術スペースの清潔維持は毎回欠かさず実施を。
- 皮膚トラブルや出血の可能性がある施術には特に慎重な判断を。
◎利用者の皆さまへ
- ご利用の際は、施術者が使っている器具や施術環境が衛生的かどうかを確認する意識を持ちましょう。
- 少しでも不安があれば、遠慮なく質問してください。「信頼できる店舗」は必ず丁寧に説明してくれます。
- 衛生意識の低い店舗の利用は、感染症や皮膚トラブルのリスクにつながる可能性があります。
⚠️衛生管理が甘い店舗や施術者が増えると、業界全体への信頼が損なわれる恐れもあります。一人ひとりが責任ある行動を取り、安全で信頼されるフットケア環境の構築に努めていきましょう。
安全管理と万が一に備えて
施術中の事故に備えた補償加入と安全管理の重要性
フットケアや巻き爪ケアの施術中、万が一の転倒・裂傷・骨折・皮膚トラブルなどの事故が発生する可能性があります。たとえ十分に注意を払っていても、利用者の体調・足腰の不安定さ・施術中の動きなどによって予期せぬ事故が起きることがあります。
◎補償保険への加入は必須
- 業務中の利用者のケガに備えた「施術事故賠償保険」などの適切な保険に加入することは、事業運営上の責任です。
- 加盟店・提携店舗・個人サロンいずれの場合も、事故時に事業者としての賠償責任を問われるケースがあるため、補償制度の整備は必須事項とお考えください。
◎施術環境・接客における注意事項
- 施術台・椅子・移動時の足元など、転倒や落下のリスクがないか事前に必ず確認しましょう。
- ご高齢の方・足腰の弱い方には、立ち上がりや体位変換時に必ず介助または声掛けを行うよう徹底してください。
- 刃物やワイヤーなどを使用する施術では、動作中に急な身体の動きがないよう丁寧に説明・誘導を行うこと。
◎トラブル発生時の初動対応と記録
- 万が一事故が起きた場合は、速やかに応急対応・救急連絡を行い、事故報告書を作成してください。
- 事後対応として、責任の所在や事実関係を明確にし、誠実に対応することが信頼維持の鍵となります。
- 補償が整っていることは、利用者の安心にもつながります。
- 安全管理の徹底と適切な保険加入は、“信頼される店舗”としての基本条件です。
- 業界の健全な発展のためにも「安心・安全」に対する意識を全店舗で共有してまいりましょう。