足の基礎解剖学

フットケアを学ぶ上で、足の解剖学は欠かせない基礎知識です。足には多くの骨、関節、靭帯や筋肉が存在し、私たちの身体を支え、動かし、バランスを保つという重要な役割を担っています。

しかし、日常生活の中で私たちは、足の構造や働きについて深く意識することはほとんどありません。そのため、トラブルが起きてから初めて足の重要性に気づくことが多いのが現実です。

足の解剖学を正しく知ることで、「なぜ痛みが出るのか」「どこに負担がかかっているのか」といった原因を科学的に理解し、的確なケアや予防へとつなげることができます。また、解剖学の知識は、施術者が利用者に信頼される根拠となり、セルフケアの指導にも説得力を持たせてくれます。

「世界のフットケア情報館」では、足元から健康を支えるための第一歩として、専門的な知識をわかりやすく伝えることを大切にしています。足の構造を学ぶことは、単なる知識の習得にとどまらず、自分自身や他者の足を大切にする意識を育てる大切な入り口となるのです。

AD
依頼

AD:アドバイザリー


施術を受けたい!

用品が欲しい!

起業したい!

※医療連携に関しましては「ドクターネイル爪革命」にご相談ください。

全身には骨がいくつあるか?

私たちの体には、全部でおよそ206個の骨があります。そのうち、なんと片足だけで26個(両足52個)もの骨が存在しています。これは、全身の約1/4以上の骨が足に集中しているということになります。

この事実からもわかるように、足は見た目以上に精密で複雑な構造を持っており、歩行・バランス・衝撃吸収など、私たちの動作に欠かせない多機能な役割を担っています。

レオナルド・ダ・ヴィンチはこう言った

骨の多さは、それだけ足が“繊細に動く必要がある”という証。小さな骨が連携しながら私たちの体を支えています。

多岐にわたる分野で才能を発揮したレオナルド・ダ・ヴィンチは足の構造を見て

足は人間工学上、最大の傑作であり、そしてまた最高の芸術作品である

と語っています!

ゆえに1日1万歩以上の負担にも耐えられるよう設計されているのです。足のトラブルが起きやすいのも、この複雑さゆえ。だからこそ、フットケアに携わる者として、この構造を理解することはとても大切なことです。

足の骨の構造を知ろう

前足部・中足部・後足部の区分と骨の名称

足は一見シンプルなように見えて、実は非常に複雑で繊細なつくりをしています。

構造を理解しやすくするために、足部は通常「3つのエリア(区分)」に分けて考えます。

それが「前足部」「中足部」「後足部」です。

前足部(ぜんそくぶ)

足の指(つま先)から足の甲の前方までの部分です。歩行時の蹴り出しや、地面をつかむ動作に関わるエリアです。

  • 中足骨(ちゅうそくこつ):5本の細長い骨で、足の甲に当たる部分。歩行時の力の伝達に重要。
  • 趾骨(しこつ):指の骨。親指は2つ(基節骨・末節骨)、他の指は3つずつ(基節骨・中節骨・末節骨)で構成されています。

中足部(ちゅうそくぶ)

足の中央部分で、足のアーチ構造(縦アーチ・横アーチ)を形成しています。体重を分散し、バランスを保つためのクッションの役割を果たしています。

  • 舟状骨(しゅうじょうこつ)
  • 内側・中間・外側の楔状骨(けつじょうこつ)
  • 立方骨(りっぽうこつ)

後足部(こうそくぶ)

足首からかかとにかけての部分。全身の体重を支える土台であり、地面からの衝撃をしっかり受け止める役割を担います。

  • 距骨(きょこつ):すねの骨と連結して足首の関節を構成。体重を上から受ける中心的な骨。
  • 踵骨(しょうこつ):足の中で最も大きな骨で、かかとを形成。地面からの衝撃を受け止めます。

足にある主な関節

趾節間関節(IP関節)

役割:足指の細かい動き、グリップ力やバランスに関与

構成する骨:趾骨同士の関節(指の関節)

特徴:親指は1つ(IP関節)、他の指は2つ(DIP関節・PIP関節)あります。

中足趾節関節(MTP関節)

  • 構成する骨:中足骨と基節骨(指の骨)
  • 主な動き:足指の屈伸(特に母趾=親指が重要)
  • 特徴:歩行の蹴り出し時に非常に重要。外反母趾やモートン病の発症部位にもなりやすい。

リスフラン関節(足根中足関節)

  • 構成する骨:足根骨(楔状骨・立方骨)と中足骨
  • 役割:足のアーチ維持と安定性に重要な関節群
  • 特徴:ここにゆがみが生じると、外反母趾・開張足・足底の痛みにつながることも。

ショパール関節(横足根関節)

  • 構成する骨:距骨+踵骨 と 舟状骨+立方骨 の間の関節
  • 役割:足のねじれ・回旋の動きに関与し、前後の連動性をつくる
  • 特徴:義足や外科で切断ラインとしても知られる(Chopart関節)

距骨下関節(きょこつかかんせつ)

  • 構成する骨:距骨と踵骨(しょうこつ)
  • 主な動き:回内(内側への傾き)、回外(外側への傾き)
  • 役割:足の柔軟性・バランス調整に関与し、地面の傾きにも適応

足関節(そくかんせつ)= 足首の関節

  • 構成する骨:脛骨・腓骨・距骨
  • 主な動き:背屈(足首を上げる)、底屈(足首を下げる)
  • 特徴:体重を支える重要な関節。足の上下の動きを担います。
  • 別名:距腿関節(きょたいかんせつ)

足と全身に通じる“テンセグリティ構造”とは?

足の骨組は上記したように多くの骨、関節、筋肉が関わり、その小さなものが絶妙なバランスで組み上がっています。

絶妙な張力のおかげで浮いたように見える「テンセグリティ構造」や、アーチ式の石橋のように、どれかひとつが欠けたり、不調があると、全体の構造に影響を与えます。

足の同じように、巻き爪、タコ、ウオノメなど、そのもの自体は小さくても、それが与える悪影響は多大なものがございます。

だからこそ、足元に目を向け、信頼できる安心安全な施術によって、その足元のトラブルを改善する必要があるのです。

国内でフットケア専門店を探すなら

▶︎ フットケア店舗一覧👈 

編集:事務局(一色)